LLMO対策は、特別な裏技ではなく「サイトの基礎工事」
この記事は、ChatGPTやGoogleのAI Overviewといった生成AIの回答に自社を取り上げてもらいたいと考えている、中小企業のWeb担当者・経営者の方に向けて書いています。何から手をつければよいか分からないという段階で、まず押さえておきたい基本の10項目をまとめました。
最初にお伝えしておきたいのは、LLMO対策の大半は、従来のSEOで言われてきたサイトの基礎と重なるということです。Googleも生成AI機能向けの公式ガイドで、生成AI検索への最適化はSEOの範疇にあるという立場を示しています。AIが読み取りやすいサイトは、人にとっても分かりやすいサイトです。
10項目は、次の3つに分けて解説します。
| 分類 | 項目 |
|---|---|
| サイトの構造を整える | 1. 構造化データ/2. llms.txt/3. URLの正規化/4. 1ページ1テーマのツリー構造 |
| 伝える中身を整える | 5. 7つの基本ページ/6. ページ冒頭の要約/7. 連絡先・所在地/8. 数字で示す実績/9. リアルな質問のFAQ |
| 更新を続ける | 10. ニュース・ブログの定期更新 |
サイトの構造を整える
1. 基本の構造化データを設置する
構造化データは、ページに書かれている情報が「何なのか」を機械に伝えるための記述です。会社名なのか、記事の公開日なのか、質問と回答の組なのかを、AIや検索エンジンが取り違えずに読み取れるようになります。形式は、Googleも推奨しているJSON-LDで記述するのが一般的です。
企業サイトでまず検討したいのは、次の5つです。
- Organization(組織情報)|トップページに設置し、会社名・ロゴ・所在地・電話番号などを記述します。AIに渡す会社の名刺にあたります
- Article(記事情報)|ブログやニュースに設置し、タイトル・公開日・更新日・執筆者などを記述します
- FAQPage(よくある質問)|質問と回答を組にして記述します
- Product(商品情報)|商品を販売しているサイトであれば、商品名・価格・評価などを記述します。サービス業のサイトでは不要な場合もあります
- BreadcrumbList(パンくずリスト)|全ページに設置し、サイトの中での現在位置を示します
なお、FAQの構造化データについては注意点があります。検索結果でFAQが折りたたみ表示されるリッチリザルトは、2026年5月に終了しました。ただし FAQPage 自体は有効な型のままで、Googleも削除を求めていません。目的が「検索結果で目立たせること」から「質問と回答の対応を正確に伝えること」に変わったと考えてください。
当社のサイトでは、よくある質問のページの本文から FAQPage の構造化データを自動で生成しています。本文と構造化データを別々に管理すると、片方だけ直したときに内容が食い違うためです。
2. llms.txt を設置する(ただし期待しすぎない)
llms.txt は、AI向けにサイトの案内を書いておくテキストファイルです。2024年に提案された新しい仕組みで、サイトの概要、優先して読んでほしいページ、コンテンツの分類などを、サイトのルートに置いたファイルにまとめます。
ただし、現時点で効果が実証された施策ではありません。Googleは前述のガイドで、生成AI機能に表示されるために新しい機械可読ファイルを用意する必要はないと明言しています。また、Ahrefsが2026年6月に公開した約13万ドメインの調査では、llms.txt を設置していたドメインの97%で、1か月間一度もファイルが取得されていませんでした。
それでも、設置の手間はほとんどかからず、害もありません。「コストがかからないので置いておく」くらいの位置づけが妥当です。高額な施策として見積書に並んでいる場合は、その根拠を確認したほうがよいでしょう。用語や施策の見極め方はLLMO・GEO・AEO・AIOの違いと、用語が統一されていない理由で詳しく解説しています。
3. URLを正規化して、重複URLを解消する
同じ内容のページが複数のURLで表示できる状態だと、AIや検索エンジンはどれが正式なページなのかを判断できません。よくあるのは次のようなケースです。
http://とhttps://の両方で表示できるwwwありとwwwなしの両方で表示できる- 末尾に
index.htmlが付いたURLと付かないURLが並存している
これらは正式なURLへリダイレクトで統一し、さらに各ページの <head> 内に canonical タグを設置して、正規のURLを明示します。AIが自社の情報を引用するときに、正しいURLを示してもらうための土台になり、重複コンテンツの問題も解消できます。
4. 1ページ1テーマを基本に、ツリー状のサイト構造にする
1つのページにさまざまな情報を詰め込むと、そのページが何について書かれているのかが、AIにも人にも伝わりにくくなります。関連する話題は別のページに分け、リンクでつなぐのが基本です。「1ページ1テーマ」を守ると、ページ同士の関係もリンクから読み取れるようになります。
サイト全体は、トップページから大カテゴリー、小カテゴリー、個別ページへと枝分かれするツリー状に整理します。階層を深くしすぎると、奥のページが見つけにくくなります。トップページから3〜4回のクリックでたどり着ける程度が目安です。
伝える中身を整える
5. 信頼の判断材料になる7つの基本ページを揃える
AIが回答の中で企業を紹介するときは、その会社が実在し、信頼できるかどうかを判断する材料が必要になります。企業サイトであれば、少なくとも次の7ページは揃えておきたいところです。
- トップページ|会社の第一印象を決め、各ページへの入口になります
- 会社案内|代表挨拶・理念・沿革などを載せ、どんな会社かを示します
- 実績・お客様の声|具体的な成果と、第三者からの評価を示します
- 商品・サービス案内|提供している価値に加え、その事業を始めたきっかけや理由まで書くと、他社との違いが伝わります
- よくある質問|実際の経験に基づいた回答で、専門性と対応力を示します
- ニュース・ブログ|最新の情報と専門知識を発信し、事業が動いていることを示します
- お問い合わせ|次の行動への導線をはっきりさせます
6. ページ冒頭の200〜300文字で、要約と対象者を伝える
AIは、画像や動画に含まれる情報を、テキストほど確実には読み取れません。重要な情報は必ず文字で書くのが原則です。キャッチコピーを画像の中にだけ入れている場合は、同じ内容を本文にも書いておきましょう。
そのうえで、ページの冒頭200〜300文字ほどで「このページに何が書いてあるか」を要約します。要約は次の3つの要素で組み立てると、過不足なくまとまります。
- 誰の|対象となる読者(例:従業員30名以下の製造業の経営者)
- どんな課題を|読者が抱えている悩み
- どう解決するか|このページや自社のサービスが提供する答え
対象者を具体的に書いておくと、AIが「どんな質問に対して紹介すべきページか」を判断しやすくなります。この記事の冒頭も、この形で書いています。
7. 連絡先と所在地を、トップページに文字で載せる
「〇〇市の税理士」のように地域を含む質問に対しては、所在地がはっきり書かれているサイトほど、候補として挙げられやすくなります。ヘッダーに電話番号と営業時間を、フッターに市区町村から省略しない住所と電話番号を載せるのがおすすめです。
連絡先を探すのに何度もクリックが必要な構造は、人にとってもAIにとっても不親切です。トップページから直接読める位置に書いておきましょう。また、Googleマップを埋め込んでいても、地図の中の住所は本文のテキストとしては読み取られません。地図とは別に、住所を文字で記載してください。
8. 実績や強みは、具体的な「数字」で書く
「豊富な経験」「多数の実績」といった表現は、読み手が他社と比べる材料になりません。AIにとっても同じで、比較できる情報として扱えるのは具体的な数字です。次の3種類を意識して書くと、強みが伝わりやすくなります。
- 件数|取引社数、施工件数、相談件数など
- 年数|創業からの年数、顧客との平均継続年数など
- 金額・割合|対応している予算規模、コスト削減率など
正確な数字がすぐに出せない場合は、「約300件」「500社以上」のような概算でも構いません。何も書かないより、はるかに伝わります。ただし、根拠のない数字を書くことは避けてください。
9. 実際に届いた「リアルな質問」でFAQを作る
生成AIは、ユーザーの質問に対して答えそのものを示す仕組みです。質問と回答の対応がはっきりしているFAQは、AIが情報を取り出しやすい形だといえます。
ここで大切なのは、営業やサポートの窓口に実際に届いた質問を載せることです。担当者が想像で作った質問は、お客様が使う言葉とずれやすくなります。お客様が使った表現をそのまま質問文にして、専門用語に言い換えないようにしましょう。
質問の数が増えてきたら、テーマごとに見出しで分け、1つ1つの質問にリンクで直接飛べるようにしておくと便利です。当社のよくある質問も、業務内容ごとに分けたうえで、質問ごとにURLを持たせています。回答が長く、それ自体で1本の記事になる内容であれば、個別のページに独立させるのも一つの方法です。
更新を続ける
10. ニュースやブログを、最低でも月1回は更新する
ニュースやブログは、読み手から見て「定期的に新しい情報が載るページ」です。ここの更新が1年以上止まっていると、人からもAIからも「この会社は今も営業しているのか」と疑問を持たれかねません。
業界の動き、対応した事例、季節のお知らせなど、短い投稿でも構いません。月に2〜4回、少なくとも月1回は更新して、事業が動いていることを示しましょう。
一方で、会社案内のように内容がめったに変わらないページは、変更があったときだけ更新すれば十分です。ただし、住所・電話番号・料金などが古いまま残っていると、AIが誤った情報を答える原因になります。半年に1回は見直して、情報が正確かどうかを確認してください。
10項目を整えたら、次は「自社に合った優先順位」と「効果の測定」
ここまでの10項目は、どの企業サイトにも共通する基本です。実際に取り組むときに難しいのは、次の2点です。
- どこから手をつけるか|サイトの現状によって、効果の出やすい項目は変わります。構造化データより先に、URLの重複やページ構成を直すべきサイトも少なくありません
- どう効果を確かめるか|Google検索については、Search Console の生成AIパフォーマンスレポートで、AI Overview などへの表示状況を確認できます。施策と数値を結びつけて見ていかないと、何が効いたのかが分からなくなります
また、「数字で書く」「リアルな質問を集める」といった中身の部分は、社内にある情報を掘り起こす作業です。技術的な設定だけでは完結しません。
ユニファースのLLMO対策コンサルティング
当社では、この記事で紹介した10項目をもとにサイトの現状を診断し、どこから直すべきかの優先順位づけから、構造化データの実装、ページ構成とFAQの見直し、効果測定までをまとめてお引き受けしています。ホームページ制作会社として、提案だけで終わらずサイトの改修まで対応できるのが特長です。
Googleが公式に不要としている施策は、あえて提案に含めません。やらない理由も一次情報とあわせてご説明し、限られた予算を効果の見込める施策に集中させます。
サービスの詳しい内容は、LLMO対策(生成AI検索最適化)コンサルティングのページでご紹介しています。「自社のサイトがどの程度できているか見てほしい」という段階のご相談も歓迎です。初回のご相談とお見積りは無料ですので、お問い合わせからお気軽にご連絡ください。全国からオンラインでご依頼いただけます。
よくあるご質問
- 10項目すべてを一度に対応する必要はありますか。
- ありません。まずは連絡先や所在地の記載、URLの正規化など、すぐに直せる項目から進めるのが現実的です。サイトの現状によって効果の出やすい項目は変わるため、優先順位をつけて順番に取り組むことをおすすめします。
- LLMO対策とSEO対策は、別々に依頼する必要がありますか。
- 別々に考える必要はありません。この記事で紹介した10項目の多くは、SEOの基本とも重なっています。Googleも、生成AI検索への最適化はSEOの範疇にあるという立場を示しています。両方をまとめて進めたほうが、作業の重複もなく効率的です。
- llms.txt を設置すれば、ChatGPTに紹介されるようになりますか。
- llms.txt だけで紹介されるようになる、という根拠は現時点でありません。設置の手間がほとんどかからないため置いておくのは構いませんが、それよりも、ページの中身や構造化データ、FAQの整備を優先してください。
- 対策の効果はどうやって確かめればよいですか。
- Google検索については、Search Console の生成AIパフォーマンスレポートで、AI Overview などへの表示状況を確認できます。ChatGPT などについては、自社の業種や地域を含む質問を定期的に投げかけ、回答に自社が含まれるかを記録していく方法が現実的です。