先日、WEBマーケティング関係の情報を収集していたら、
顧客目線のコンテンツ・マーケティングで営業ゼロでも施工依頼が殺到する塗装店のノウハウとは?
という記事を発見しました。
実例として挙げられていたのが、
です。3ヶ月に1回位しか問い合わせが無かったのに、ひと月に20~30件の問い合わせが届くようになったとのことです。
HPを拝見すると、トップページ自体がセールスレターの形式となっており、よく出来ています。これなら実際にコンバージョン率は高いだろうなと思いました。
リニューアル前のホームページは?
Web担の記事によると、
この会社のWebサイトは2006年からありました。しかし、問い合わせが3か月に1度しかなく実質的に「売り上げに貢献できていない」サイトでした。
とあります。現在のホームページはリニューアル後のものということですが、当時のホームページはどのようなものだったのでしょうか?
早速、過去のホームページのデザインを見ることが出来る、ウェブアーカイブでデザインを取得してみます。
2006年12月のレイアウト
http://web.archive.org/web/20061216163754/http://www.eiken-kohgyo.jp/
画像のリンクは切れていますが、こんな感じでした。メインイメージが、姫路城だったのは何故なんでしょうか?姫路出身の私としては嬉しい限りですが、東大阪の会社さんなのに、姫路城がメインイメージだと、戸惑うお客さんが多かったかと思います。
(注)この記事を書き終えてから知りましたが、永建工業の代表が姫路市出身ということから、姫路城をイメージに使われていたようです。
2010年3月のレイアウト
http://web.archive.org/web/20100309082127/http://www.eiken-kohgyo.jp/
2010年頃に一度リニューアルをされています。このリニューアル時点で、トップページをセールスレターにする方針をとっています。
2011年12月のレイアウト
http://web.archive.org/web/20111228044304/http://www.eiken-kohgyo.jp/
この時点で、現在のホームページの原型が出来たようです。
リニューアル後のホームページをパーツ毎に分析
通常、コンバージョン率は1~2%もあれば高い方です。ということは、月間に20件の問い合わせがある場合、月に1,000人~2,000人の訪問者が永建工業さんのホームページへ来ている計算となります。
SEO対策を強化している可能性
月間1,000~2,000人の方にホームページを見てもらう為には、1日あたり30人~70人の方にホームページを見て貰う必要があります。外壁塗装業というニッチでしかも、ターゲットが「東大阪」在住の方限定だと非常に少数の方しか検索しないと思われます。その中で顧客を獲得しているとなると、SEO対策は欠かせません。
実際にどのような単語で上位表示されているか確認してみました。
- 「外壁塗装 東大阪」 1位
- 「外壁塗装 大阪」 3位
- 「屋根塗装 東大阪」 1位
- 「塗装 東大阪」 3位
- 「塗装 大阪」 4位
- 「塗装工事 東大阪」 2位
という結果になりました。やはり、塗装工事関係の単語で軒並み上位表示されていました。これなら、塗装工事業者を探している方なら殆ど全ての方の目に永建工業さんの名前やホームページが閲覧されることでしょう。
尚、CPC広告は、Google及びYahoo!には出稿されていないようでした。
ヘッダー部分に、概要が全て凝縮
こちらが、現在のヘッダー部分です。
ヘッダー部分を見れば、ホームページの概要や、どういうお客さんの役に立てるのかが一目瞭然です。
- 左上の箇条書き部分には、どういう人の問題解決が出来るのかを例示しています。
- 左下には施工可能範囲を明示しています。
- 右下には、電話番号を記載して、お客さんが何を最初にしゃべれば良いかを明示することで、電話をかけることの敷居を下げています。
以上の通り、3秒でホームページの全体像が理解が出来る非常に良く出来たヘッダー構成になっています。
グローバルメニューの構成は?
グローバルメニューは、以下の7項目となっています。
グローバルメニューに掲載する項目は、ホームページを訪問した後に「すぐに知りたい情報」や「すぐに取りたいアクション」の項目を載せるのが良いとされています。
そういう観点からも、非常に洗練されている項目だと思います。別の業種のホームページ構成でも、「お客様の声」「料金」「実績」「お問い合せ」「会社概要」はやはりグローバルメニューへ載せたい情報です。
コンテンツの上部の構成
コンテンツの上部構成は、
- 代表者の紹介
- お客様の声
- 新着情報
となっています。
前提として知っておいてもらいたいのですが、訪問者がホームページに来てからの行動は以下の通りとなります。
- ホームページを開いて、ヘッダー部分を確認し、興味を惹かなければ、3秒で戻るボタンを押します。
- 少し興味を持ったら、1~2回スクロールします。そこで不安を感じたり、興味を持てなかったら、戻るボタンを押します。
- より強い興味を持ったら、料金体系やお客さんの声、会社概要を確認します。ここで、自分のニーズと合わなければ戻るボタンを押します。
要するに、トップページ以外のページをクリックして見るというのは、非常に敷居が高い行為なのです。
だからこそ、お客さんが知りたいと思う情報を、クリックしなくても見てもらえるトップページへ掲載する必要があります。
前置きが長くなりましたが、永建工業さんのホームページは、1スクロールするだけでお客さんの
- このホームページは運営されているのか?(新着情報及びブログ)
- この会社は大丈夫か?
- 依頼したお客さんの口コミや評価を知りたい
という要望に応えられる秀逸な構成になっています。
尚、新着情報とブログの役割は異なっています。前者はホームページが最近も運営されているのかを確認するツールであり、後者は代表者や従業員の社風や人柄を知る為のツールです。だからこそ、ブログは定期的に書いた方がいいですし、設置したのに更新していないと、お客さんが不安を感じてしまうなど逆効果です。
セールスレターの構成は?
トップページの中央部分に書かれているような、文章をお客さんに読んで貰って、アクションを起こさせる構成を、セールスレターと言います。
一般的な、セールスレターの構成は、
- キャッチコピー
- リード文
- メリットの訴求
- お客様の声 権威者からの推薦
- 商品の特徴
- お申し込みフォーム
となっています。これらを全て抑えておけば、抑えていないセールスレターよりも反応率は良くなります。
永建工業さんのセールスレターはどうでしょうか?
- まず、お客様の声が来ています。お客様の声の要約を書いて、訪問者が全文を読まなくても概要が理解出来る構成は素晴らしいです。
- 次に、よくある困っているお客さんの声を引用して、「そうそう、私はそれで困っていたのよ」という共感を引き出しています。
- そして、永建工業さんの長所を箇条書きで分かりやすく書きます。
- 一方、「良いことばかり書いて、アヤシい」と思われない為に、短所も誠実に記載します。
- 最後に、お願いを書いてクロージング
- だめ押しの返金保障。「文章では良いことを書けても、実際は分からない」という方の疑いを晴らすために「嘘をついていたら」返金保障しますと安心感を得て貰います。
- そしてお問い合せフォーム
という流れです。
お客さんの疑問点や疑いを晴らす、非常に綺麗なセールスレターに仕上がっています。しかも、お問い合せフォームまで、1クリックも必要ではありません。
まとめ
永建工業さんのホームページは、「お問い合せを増やす」という目的に沿った、お手本のようなホームページに仕上がっています。私も常々、そういう観点でホームページをリニューアルや作成をしていますが、ホームページ上の表現で、非常に勉強になる箇所があり、自分の勉強も兼ねて解説をさせてもらいました。
皆さんのホームページはどうでしょうか?もし、解説を通して気づく点がありましたら、取り入れてみてはどうでしょうか?
もちろん、文章やレイアウトを丸パクリするのはダメですよ。笑